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中国語コーチがHSK6級を受けた感想と5級以上のレベルに求められることについて

blankこの記事を書いた人
中国語学習コーチ
深谷 百合子

blank学習コーチになってから初めて、HSK試験を受けてきました。試験を受けるのは1年ぶりです。

自分自身が日々中国語を使う環境に身を置かなくなったこともあって、何もしなければ聞くことも話すこともあっという間に退化していくのを感じ、やはり語学は日々の積み重ねが大事だと痛感しています。

そうした日々の中で、「試験」という刺激があると、お尻に火がつくというのでしょうか。
試験は学習のモチベーションを維持するためのスパイスみたいな存在だなと思います。

そして、定期的に受験することで、その時の自分の現在地が分かるのもいいですね。

さて、今回私が受けた2020年10月度のHSK6級の問題では、環境に関する話題が印象に残りました。作文では海洋性プラスチックゴミに関する話題を要約する問題でしたが、自分がイメージできる話とそうでない話では、やはり問題を解く際に大きな違いが出るように感じました。

そこでこの記事では、私自身のこれまでの経験も振り返りながら、HSK5級以上のレベルに求められることについて、私の考えをご紹介します。

選択肢を見ただけで分かっちゃう!?

HSK試験のヒヤリング問題は、中国語検定と違って選択肢が示されているので、話の内容が推測できるという「利点」があります。

その時、選択肢を見ただけで「あ、これが正解だな」と分かるものがあります。
全く聞き取れなかったとしても、「常識的に考えたら、これでしょ」というものが少なからず存在します。

例えば、こんな選択肢。

A 北方人喜欢吃米饭
B 饺子是用大米做的
C 南北方的风俗差不多
D 南北方饮食习惯各有特点

(出典:北京語言大学出版社「跨越新HSK(六级) 全项+书写专项训练」)

よほどの引っかけ問題でない限り、中国の食文化のことを少しでも知っていれば、「正解はDだな」と推測することができます。

これはいかがでしょう?

A 鸟类能使昆虫大量繁殖
B 鸟类和人类经常争夺食物
C 鸟类会造成森林、草原毁灭
D 没有鸟类,人类将无法生存

(出典:北京語言大学出版社「跨越新HSK(六级) 全项+书写专项训练」)







これも正解はDです。

実際私はHSK5級や6級を受験した時、「何を言っているのかよく聞き取れなかったけれど、普通に考えたらこの選択肢だな」と思って解答した問題がいくつかありました。例えば気候や環境に関する話や歴史や文化に関するもの等です。

以前の私は、そのように「常識的にこれでしょ」と考えて正解をしても、何となくモヤモヤした気持ちがありました。
何だか「インチキ」をしたみたいな気持ちがして、「ちゃんと聞き取れていない」ということに目が向いていたのです。

でも、今では「インチキしたみたい」という気持ちは持っていません。
その理由は後ほど述べますが、十分に聞き取れなかったとしても常識で解ける問題が有るということを知っておいて頂くと良いのではないかと思います。

長文読解でよくあるパターン

HSK5級以上になると、長文読解で出される問題文の内容は読んでいて面白い内容のものが多いです。

もちろん、試験になると時間の制約があるので、なかなかゆっくりとは読めません。私は初めて6級にチャレンジした時、読解第四部分の5問を残り10分で解く羽目になり、時間配分を失敗したなと感じたものです。

さて、HSK5級以上の長文読解問題では、次のようなテーマが主題のものが多い印象があります。
・社会問題に関するもの
・科学技術に関するもの
・自己啓発でよく取り上げられるテーマ、
・中国の故事
・人生の教訓に関するもの

時々、冒頭の文章をちょっと読んだ瞬間、「あ、この話知ってる」という文章に遭遇します。

例えば、スティーブン・R・コヴィー博士の「7つの習慣」の中で、重要事項を優先することをバケツに石を入れる喩えを使って説明した話がありますが、その話がHSK5級の模擬問題に出ていました。

※こちらのサイトからダウンロードできます。
 HSK五级真题与答案下载(第一套)をクリックしてダウンロード。
http://www.chinesetest.cn/godownload.do

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阅读第三部分の最初の問題です。

もしこの話を知っていたら、問題文を全部読まなくても、あらかた解くことができます。
逆にもし知らなければ、やはりざっと読んで意味を理解してから問題を解くことになるでしょう。

私が今回受けた試験では、パンダのような絶滅危惧種の保護に関するテーマの問題がありました。
残り時間もそれほど多くなく、焦る気持ちの中で読み進めたわけですが、これも「常識から考えると、これが正解だな」と思う選択肢が有り、それが文章のどこで述べられているのかを探して解きました。

HSK5級以上の長文読解問題は読み応えがあり、かつ、内容も「読み物」として面白いものが多いです。試験対策に限らず、「読み物」として読んでみることをオススメします。

また、子供向けの寓話、故事等を読んだり動画を見たりしておくと、似たような内容の問題に出会うかもしれません。

結局語学を学ぶこととは?

今回私がお伝えしたかったのは、「聞き取れなかったら、こうして正解を選べ」みたいな、HSK5級以上の試験に合格するためのテクニックではありません。

「ヒヤリングで聞き取れない問題があっても、常識で選択肢を選んで正解すること」に対して、最初は抵抗感があったということは先に述べた通りです。

長文読解に関しても同様です。知っている話だったら、ろくに文も読まずに解けてしまう。それって、どうなの? と思っていました。

でも、今はそうは思っていません。
なぜなら、言葉の理解とは結局、背景にある知識で補うものだと思うからです。
その背景知識がどの位ストックされているかどうかで、理解力は断然変わります。

勉強するからには、8割以上聞き取れたうえで解答できるようになりたいし、できるだけ語彙力を高めたうえで、長文をスラスラと読めるようになりたいものです。
けれども、ただただひたすら単語を覚えればよいかというと、必ずしもそれがベストな方法とは言えないと思います。

むしろ、日頃から様々な分野に関心を持って、幅広い話題に触れ、背景知識のストックを増やしていく方が楽しく実力を上げていけるのではないかと思います。

HSK5級は「中国語の新聞や雑誌が読めるだけでなく、中国の映画やテレビも観賞でき、さらに、中国語でスピーチすることができる」レベルとなっています。

つまり、それだけの語彙力が必要というだけでなく、新聞や雑誌に取り上げられるようなレベルの話題を、いかに多く知っておくかというのも大切な要素です。

そして、新聞や雑誌で取り上げられる話題は、なにも中国特有の内容だけとは限りません。世界各国で読まれているような有名なビジネス書や自己啓発系の本等は、日本語版で良いので、概要だけでも知っておくといいのではないでしょうか。

定番の話と旬な話題、日頃からぜひこれらの話題をチェックして、言葉の理解の助けとなる背景知識を増やしてみることをオススメします。

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深谷 百合子(中国語学習コーチ)

仕事で中国に渡ったことをきっかけに、アラフィフになって初めて中国語を学び始める。「実際に回り道をしてきた自分だからこそ中国語学習者の役に立てることがある」と思いから現在は中国語学習コーチとして活動。仕事を続けながら中国語を身につけきた経験から時間管理にも精通している。