現地で暮らしてわかった中国人が謝らない理由と付き合い方
2021-05-17 中国のビジネスや文化・マナー
みなさんこんにちは、中国在住の成守です。
この記事を読んでいる方は、“中国人は謝らない”という話を聞いたことはありませんか?
または実際にそんな場面に直面したことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
では、なぜ中国人は謝らないのでしょうか?
今回は一緒に“中国人が謝らない”その理由を一緒に見ていきたいと思います。
記事の後半では、謝らない中国人とどうやったら上手に付き合っていけるのかについてもお話ししますよ。
それではさっそくスタートです!
目次
中国人が謝らない理由
中国人が謝らない理由は大きく2つあると思います。
1. 自分のメンツを守るため
2. 自分の非を認めたくないから
それぞれ解説します。
自分のメンツを守るため
まず一つ目ですが、中国はメンツを重んじる国であり、日々そういったものを意識して暮らしているように感じます。
“謝罪”というのは中国人にとってはプライドが傷つく行為であると言えるでしょう。
対して日本では中国とはまったく逆で、「すみません。」って日常的に使いますよね。
わたしは日本で接客業に就いていた経験があり、自分に非があるかないかに関わらず、よくお客様に対して直接または電話口で「申し訳ありません。」と言っていたように思います。
このように日本人がすぐ謝罪するのは、中国人からすると謝罪することで責任逃れしているように感じるようです。
自分の非を認めたくないから
続いて二つ目です。
一向に謝らない中国人に対して「この人本当に悪いと思ってるのかな?」と思ったことがあります。
もちろん相手は中国人の夫ですが…
自分の非を認めたくないのは、こんな図式が頭にあるからではないでしょうか。
「非を認める」
↓
「謝る」
↓
「プライドが傷つく」
↓
「メンツが守れない」
謝らない理由を2つ挙げましたが、上記図式を見ていくと、結局その2つはしっかりと繋がっているんですよね。
そんなロジックはさっさと捨てて、謝ってしまえばいいのに…と思ってしまうのですが、日本と中国の謝罪の文化は本当に大きく異なっています。
中国人は家族内で謝らない
実際に中国人の家族と共に生活していて実感するのは、中国人は家庭内で「ありがとう。」や「ごめんなさい。」を言わないということです。
家族の間でお礼や謝罪をするのは、よそよそしいという考えからです。
今思い返してみると「谢谢。」は言ったことがあるにしても、たしかに謝罪の言葉は口にしたことがありません。
やはり、それだけ中国では謝罪の持つ意味が大きいと言えるでしょう。
簡単に口に出すべきではないと感じさせられます。
ビジネスでも謝らないの?
ではビジネスの場面ではどうでしょうか?
日本のビジネスの場面では、ミスがあればまず謝罪の言葉が必要ですよね。
中国でもビジネスともなれば謝るのか…?と思いきや、ビジネスの場面の方が頑として非を認めない傾向にあるようです。
前述したとおり、中国では謝罪は非常に大きな意味を持ちます。
“謝罪”=自分の非を認めることになり、すべての責任を負う必要が出てくるのです。
その場しのぎの謝罪というのは中国では認められません。
中国で働いている方、中国に駐在予定がある方に大切なアドバイスがあるのですが、大勢の前で中国人を叱るのは厳禁です。
謝罪さえしてくれればいいと思い叱ったつもりでも、メンツを大事にする中国人は大勢の人の前で叱責を受けたとなるとプライドが傷つけられ、退職へと繋がる可能性も大いにあります。
日本の常識が、他の国の常識とは限らないのです。
謝らない相手との上手な付き合い方
ここまで読んで、中国人との人付き合い難しそう…と思いましたか?
どうしたら謝らない中国人と上手くやっていけるのか、私なりの考えをお話します。
文化の違いを認識し、謝罪を期待しない
中国人が日本人のように簡単に謝らないというのは、よくお分かりいただけたと思います。
これは文化の違いなので、個人に改めさせるのとは話が違いますよね。
わたしもムキになって夫に対して「謝れ〜!」って連発したことがありますが、過度な謝罪の要求は何も生まないと思います。相手は頑として謝りませんから。
中国は謝らない文化、と最初から割り切ってしまったほうが無駄な争いは避けられるでしょう。
謝罪が発生するような事態を避ける
相手が謝ってくれないからといって、イライラ・モヤモヤを抱えたまま日々を過ごすよりは、はじめからそういった事態が発生しないように意識をしていくことが大事なのではないでしょうか。
相手が結婚相手や恋人なら、喧嘩しないように相手を思いやって暮らす。
ビジネスであれば、中国人の特性を理解し予測される事態を先回りで把握し、問題の起きないようにする。
簡単に言ってしまいましたが、生きていく以上トラブルはつきものですよね。
それでも、中国人と関わるのであればこういった努力は必要になってくるかと思います。
謝るべきところでは謝る
誤解を生みたくないので補足しますが、ここまで中国人はなぜ謝らないのか書いてきましたが、明らかに非があるときはきちんと謝りますよ。
わたしも中国人は全く謝らないものだと思っていたので、以前中国のある空港ですれ違いざまにぶつかった時に、すぐに「对不起!」と言われた時は、内心“中国人って謝るんだ!”と思いました。
今思うとちょっと恥ずかしいですが…
服に水がかけられとときも「对不起,对不起」と言われたと思いきや、「この水綺麗だから。」とすぐさま言い訳したのが中国らしいなと思いました。
あとは、対お客様とかだと謝罪の言葉も耳にしますね。
必要な時にはちゃんと謝罪するのが中国人です。
まとめ
今回は中国人はなぜ謝らないのかということに焦点を当ててお話しました。
最初は謝らない中国人にイラッとしてしまうかもしれませんが、根底には文化の違いがあるのだということを理解し、ときには寛容な態度で向き合うことが大切ではないかなと思います。
それでは今回はここまでです。
最後までお読み頂きありがとうございました。

成守萌

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