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中国古典の入門テキスト『論語』を読んでみよう

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中国語ウォッチャー・ライター
白圭HAKUKEI


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長い歴史がある中国。その中国の歴史文化に触れることは、中国語学習の醍醐味と言っても過言ではありません。

その文化の中で日本人の価値観にも大きな影響を与えているのが、中国の古典哲学です。中国語を勉強しているからには、ぜひとも知っておきたい、そしてしゃべってみたい中国古典。

今回は中国古典の入門として、もっともメジャーな書籍『論語』を一緒に読んでみましょう。

「論語」とは?

『論語(ろんご lun2 yu3)』とは、中国春秋時代末期(紀元前440年ごろ)に活動していた思想家であり教育者であり政治家であった人物「孔子(こうし kong2 zi)」およびその高弟たちの言行録です。

孔子は戦乱の世の中に生を受けながら、「仁」という他者を思いやる心をベースに、教養を深めながら「君子(分かりやすく言えばジェントルマン)」になるために学ばなければならない、と説きました。
それによって、国王は国王の、臣下は臣下のやるべきことをしっかりと理解し、実行し、平和な社会をつくろうと考えたのです。

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上海「文廟」の孔子像

これがいわゆる「儒学(ru2 xue2)」という中国伝統学派を形成していきます。

特に宋代では儒学の国教化が進すすみ、重要な書物9冊を「四書五経(si4 shu1 wu3 jing1)」と呼び貴びますが、その四書五経の筆頭になっているほど『論語』はメジャーな古典。
まさに中国古典の必読書と言えるでしょう。

さらにその影響は中国に止まらず、朝鮮半島、そして日本にまで伝わっています。
日本伝来は紀元3世紀の終わり、応神天皇のころに朝鮮半島の百済の博士・王仁が『論語』十巻を伝えたことが『古事記』記載されています。

その後日本でも文化人に教養として親しまれた『論語』は、日本の武士階級のみならず、学問をする者にとっては必修テキストとなっています。

日本でも荻生徂徠などの解釈文が残っていますが、もっともメジャーなものは2021年NHK大河ドラマの主人公となった渋沢栄一による『論語と算盤』でしょう。

渋沢は日本資本主義経済の祖とまで言われている経営者ですが、幼い時から『論語』を学んで座右の書とし、それを日本で発展する経済・ビジネスの必須要素であると考え、『論語と算盤』を著したのです。

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渋沢栄一の『論語と算盤』(角川ソフィア文庫版)

さて、なぜそれを皆さんにおすすめするのかと言いますと、ずばり「読みやすい」からです。
先ほど述べたように、『論語』は長い小説や論文ではなく、言行録。
非常に短い言葉がたくさん集められている名言集なのです。

なのでどのページから読んでも問題ありません。
例えば休日などにペラペラとページをめくって、その時に気になった言葉を選んでもOK。
また自分が置かれている環境や心理によって、依然とは全く別の言葉が心に刺さったり、同じ言葉でも異なる解釈ができたりと、非常に長く楽しめる1冊でもあります。

さらに孔子が説いた「仁」とは思いやりの心であり、同時にそれを「学ぶ」ことの重要性、そうした教養を身に着けた人物のすばらしさなどが随所に述べられており、言葉の勉強だけではなく「人間学」として非常に有益、ぜひ身に着けたい書籍なのです。

さっそく読んでみましょう。『論語』の名文

では、そんな『論語』の中から、中国の人たちとの会話または人生に使えそうな言葉をピックアップして、中国語でも読んでみましょう。

『論語』は全10巻20篇、長短合わせて500以上という、非常に多くの言葉が収録されていますが、今回はそのなかから3つを原文(中国語の拼音)、意味、そして簡単な解説を付けました。

まずは『論語』の障りに触れていただければ幸いです。

注:意味の部分は『論語/金谷治 訳注』(岩波文庫)より引用

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筆者お気に入りの『論語』(金谷治 訳注 岩波文庫)

その①

<原文>
子曰(zi3 yue1)
学而時習之、不亦說乎(xue2 er2 shi2 xi2 zhi1、buyi4 yue4 hu1)
有朋自遠方来、不亦楽乎(you3 peng2 zi1 yuan2 fang1 lai2、buyi4 le4 hu1)
人不知而不慍、不亦君子乎(ren2 buzhi1 er2 buyun4、buyi1 jun1zi hu1)

<意味>
先生が言われた、
「学んでは適当な時期におさらいする、いかにも心嬉しいことだね。
だれか友達が遠いところからたずねて来る、いかにも楽しいことだね。
人が分かってくれなくとも気にかけない、いかにも君子だね」

<解説>
『論語』の冒頭の一文にして、もっとも有名な一言です。

一言目の「学而時習之、不亦說乎」は、中国語学習においても重要な事。つまり身に着けたものを積極的にアウトプットしていきましょう、ということ。

いかに教科書で単語や文法を覚えても、中国の人たちと会話できない、文章が書けないではまったく意味をなしません。

学んで、覚えて、そして使う。

このサイクルを繰り返すことで、語学もお仕事も向上するわけです。

また、次に来る言葉も感慨深い言葉です。

筆者も出張などで中国に行って知り合いと食事をすると「遠いところをよく来たね」といったようなニュアンスで、「有朋自遠方来、不亦楽乎」なんて言われたりするなど、中国での会話の中でも使われています。

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その②

<原文>
曽子曰、(zeng1zi yue1)
吾日三省吾身(wu3 ri4 san1 xing2 wu3 shen1)
為人謀而不忠乎(wei2 ren2 mou3 er2 buzhong1 hu1)
與朋友交而不信乎(yu3 peng2 you3 jiao1 er2 buxin4 hu1)
伝不習乎(chuan2 buxi2 hu1)

<意味>
曽子が言った、
「私は毎日何度もわが身について反省する。
人のために考えてあげてまごころからできなかったのではないか。
友達と交際して誠実でなかったのではないか。
よくおさらいもしなかったことを人に教えたのではないかと」

<解説>
ここでいう「曽子」とは、孔子の門人の1人で、孔子の思想を後世に伝えた人物です。

彼の言葉である「吾日三省吾身」というキーワードは現代中国、ビジネスワードとしても使われます。簡単に言えば「その日を振り返り反省する」ということ。

ただ残念ながら、ここで述べられている具体的な3つのポイントはやや色を薄めてしまっており、もっぱら広くあやふやな意味合いとして使われてしまっています。

「人の事をきちんと考える」、「誠実に付き合う」、「よく理解して伝える」ということはビジネスに限らず重要な事。忘れずにいたいものです。

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その③

<原文>
子曰、(zi3 yue1)
吾嘗終日不食(wu3 chang2 zhong1 ri4 bushi2)
終夜不寝(zhong1 ye4 buqin2)
以思(yi3 si1)
無益(wu2 yi4)
不如学也(buru2 xue2 ye3)

<意味>
先生が言われた、

「私は前に、一日中食事もせず

一晩中寝もしないで考えたことがあるが、

むだであった。

学ぶことには及ばないね」

<解説>
お分かりかと思います。そう「学問に近道はない!」ということなのです。

孔子が説いた「仁の教養」も、私たちが学んでいる中国語もまったく同じ。

1日だけ教科書にかじりついても、単語帳をめくっても中国語がすぐに身につくというコトはありません。

目的を決め、その達成のために必要なものを明らかにし、それに向かって毎日少しずつでも、1歩1歩着実に進むことが実は一番の近道なのです。

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如何でしょうか。わずか3つの言葉ですが、少しは『論語』に書かれている言葉が身近な言葉に感じられたでしょうか?

次回ももう少し『論語』の言葉を味わってみましょう。

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白圭 HAKUKEI

白圭 HAKUKEI

東京在住の謎の中国ウォッチャー。自称「東瀛狂人」。 華東師範大学の本科、碩士過程に留学。卒業後は現地で就職するなど20年以上中国と日本に関わる。 また時折、都内の「日本語があまり通じない中国料理店」を探しては出没する。 「意識と目線は低く!」をモットーとした中国ライターとして、中国の社会、消費ネタからB級以下のネタまでをこよなく愛しつつ、常に中国情報をウォッチして別名義にて日本向けの中国情報を発信中。 好きな中華料理は「鍋包肉」、好きな中国のお菓子は「琥珀核桃」。