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続・『論語』を読んでみよう~中国語学習や人生に響く一言

blankこの記事を書いた人
中国語ウォッチャー・ライター
白圭HAKUKEI


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前回「中国古典の入門テキスト『論語』を読んでみよう」では、中国古典の基礎である「論語」の概要から、代表的な言葉を中国語で読んでみました。


今回も『論語』の中から中国語の勉強やビジネスの世界、そして人生に役立ちそうな言葉をピックアップしてみました。

その①


<原文>
子貢問曰zi3 gong4 yue1
有一言而可以終身行之者乎。You3 yi4 yan2 er2 ke3 yi3 zhong1 shen1 xing2 zhi1 zhe3 hu1
子曰。zi3 yue1
其恕乎。己所不欲、勿施於人。qi2 shu3 hu1 ji3 suo3 buyu4 wu4 shi1 yu2 ren2

<意味>
子貢がおたずねしていった。
「ひとことだけで一生行なっていけるということがありましょうか」
先生は言われた。
「まぁ恕(おもいやり)だね。自分の望まないことは、人にしむけないことだ」

<解説>
子貢とは孔子の高弟の一人で、商売上手で有名だった人物です。
それはともかく、これは『論語』の神髄ともいえる言葉です。

「一生気を付けなければいけないことは何か?」という弟子の問いに、孔子は「他者への思いやり」と答えます。孔子が理想としたのが、こうした人それぞれが思いやりをもって接し合う社会。

「己所不欲、勿施於人(ji3 suo3 buyu4 wu4 shi1 yu2 ren2)」は、現代の中国でも使われる言葉です。

皆さんも小学校の時など、先生から言われたことはありませんか?
そう「人が嫌がることをしてはいけない」。
つまりは他者の気持ちになって考えることが大事、という事です。

特に今、インターネットサイトやSNS上では非常に簡単に人を攻撃できる世の中になっていますが、そういう時代にこそ、こうした「基本」を大事にすべきなのではないでしょうか。

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東京「湯島大聖堂」の孔子像

その②

<原文>
子路問政。zi3 lu4 wen4 zheg4
子曰。Zi3 yue1
先之勞之。Xian1 zhi1 lao2 zhi1
請益。qing3 yi4
曰、無倦。yue1 wu2 juan4

<意味>
子路が政治の事をおたずねした。
先生は言われた。
「率先すること、ねぎらう事だ」
いま少しとお願いすると
「怠ることのないように」といわれた。

<解説>
はい、会社でマネジメントをするうえでも、中国語学習や中国語のコーチングを受ける上でも覚えておきたい言葉が出てきました。

「政治にとって大事なことは何ですか?」という弟子に「まずは(自分が)率先してやってみる」こと。そして「ねぎらうこと」を孔子は上げます。

会社のマネジメントでは特に重要ですね。自分から動いて周りに見せる。口先だけでは人はついてきません。
その結果、ついてきた人たちを見たらほめて、労ってあげる。こうしたことで達成感を醸成することができ、チームはより高みを目指していけるわけです。

中国語学習でいえば、まずはとにかく話してみる、書いてみるという事が重要。語学は頭でわかっただけでは身につかないのです。
そしてやってみたら、一定の自己評価を自分にしてあげましょう。「自分は単語量がここまで増えたんだ」というポジティブな自己評価は、きっと自分のモチベーションアップにもつながるはずです。

何より大事なことは「無倦」。
つまりは、そうした姿勢を飽きずに続けるという事。飽きてしまうとそこで脚は止まり、上に上っていくことはできなくなってしまいます。

おそらくデキる会社のマネジャー、コーチの人たちは、「人に飽きさせない」術を知っている人たちなのかもしれません。

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湯島大聖堂の大成殿。ここに孔子や孟子が祀られている

その③

子曰、zi3yue1
君子不重則不威。jun1zi buzhong4 ze2 buwei1
学則不固。xue2 ze2 bugu4
主忠信、無友不如己者。zhu3 zhong1 xin4 wu2 you3 buru3 ji3 zhe3
過則勿憚改。guo4 ze2 wu4 dan4 gai3

<意味>
「君子は重々しくなければ威厳がない。

学問すれば頑固でなくなる。

忠と信とを第一にして、自分より劣ったものを友達にはするな。

過ちがあったら、ぐずぐずせず改めよ」

<解説>これは特に部下を持つマネジメント層には読んでおいてもらいたい言葉です。
まず、威厳が大事。ただしパワハラのような圧力ではなく、自身だったり他者を落ち着かせられる、安心感を与えられる雰囲気を持てるかどうかという事です。

それと同時に、色々な事を学んでいると多識になり、他者の言葉に耳を傾ける余裕が生まれます。「忠」というと、どうしても忠誠心などのように思われるかもしれませんが、今の言葉でいうと「かわらない誠実さ」のこと。

そして「信頼感」を与えられる存在でいないさい、という戒めです。

自分より優れた人、言い換えれば常に他者の良い点を吸収する気持ちを持つことを、孔子はマネジャーの条件として挙げています。

それでも人には失敗がつきものです。
失敗があったら「それを認めてすぐ改めること」。これを孔子は『論語』において繰り返し述べています。

人は完璧ではありません。どれだけ高位の人でもミスはあります。
それを受け入れ、認め、すぐに改める度量が必要なのです。

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威厳と信頼感に満ちた人、それが理想のジェントルマン

その④

子曰。zi3 yue1
直哉史魚。邦有道如矢。zhi2 zai1 shi3 yu2 bang1 you3 dao4 ru2 shi1
邦無道如矢。bang1 wu2 dao4 ru2 shi1
君子哉?伯玉。邦有道則仕。jun1zi zai1 qu2 bo2 yu4 bang1 you3 dao4 ze2 shi4
邦無道則可卷而懷之。bang1 wu2 dao4 ze2 ke3 juan3 er2 huai2 zhi1

<意味>
先生が言われた。
「真っ直ぐだな、史魚(しぎょ)は。国家に道がある時も矢のようだし、
国家に道がない時にも矢のようだ。
君子だな、蘧伯玉(きょはくぎょく)は。
国家に道がある時には仕えて、
国家に道がない時には、くるんで隠しておける」

<解説>
最後の一言は「座るためのゴザをくるめて、さっさとその国を立ち去る」と理解する場合もあります。

孔子の人としての在り方がよくわかる言葉です。

登場した史魚や?伯玉という人物、一方は国が道義を守った時も踏み外した時も、矢のように諌言した人物。もう一方は国が道義を守った時にはしっかり務め、国が道義を踏み外した時は自分から身を引き、それに加わらなかった。

やり方は異なりますが、道義のためには自分の地位や命を顧みなかった人たちということです。

どうしても地位、職位が上がるとそれを守りたくなりますが、人の基本である道義のほうがより重要。

自身の基本を忘れずにいましょう。

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常に自分に「基本」を問う姿勢が大事

その⑤

子曰。zi3 yue1
歳寒。sui4 han2
然後知松柏之後彫也。ran2 hou4 zhi1 song1 bai3 zhi1 hou4 diao1 ye3

<意味>
先生が言われた。
「気候が寒くなってから
はじめて松や柏(ヒノキのこと)が散らないで残ることが分かる」

<解釈>
これもわかりやすい言葉。人は逆境にあった時にこそ、その真価が問われるということです。
特に順境でも逆境でも、常に泰然としていられることが、理想の姿。

中国語の勉強をしていても、挑んだ試験の結果がよくなかったり、テキストの読み込みが上手くできなかったり、会話ができなかったりと、壁にぶち当たることも少なくありません。

しかし、そういう時こそ慌てず、いつもの自分を取り戻して、慌てずに勉強を再開させたいものです。

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ツラい時でも松の木のように泰然としていたいものです

今回は5つの言葉をご紹介しましたが、『論語』はその時々に心に響く言葉が異なる不思議な書籍。

ぜひ、1冊手元において、何か迷ったとき、悩んだ時、何となく暇なときなどに、気軽にパラパラと読み返してみてはいかがでしょう。

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笠島 稚子(笠島式ビジネス中国語コーチング代表)

日本で社会人経験後、中国北京師範大学に留学。その後、現地大手日系企業にて、通訳や翻訳を経験。中国語学習歴10年以上の長く苦しい経験から、これから中国語を学ぶ方は楽しく短期間でマスターし、自分の活躍するフィールドを日本だけではなく、アジアにも広げて欲しい、そんな想いから笠島式中国語コーチングメソッドを開発。日本人学習コーチとネイティブ講師の業界初!のWサポートで、メンタル面と知識面両方の悩みを解決し、成果を出すプログラムを提供中。